影山

事務所移転と新しい営業マン

ストライプだけではなく幅の広いフィルムも頻繁に使うようになると,それを加工するための大きな作業台が必要になります。さすがに自宅の台所にフィルムを広げて切り貼りするのも限界が生じ,同じ町内のマンションを仕事場として借りることになりました。新しい事務所に移転して最初に行ったのは丈夫な作業台を作ることでした。私がそういう仕事が苦手だったもので,日曜大工が得意な友人にお願いして一緒に作っていただきました。とても頑丈な作業台を作ることができ,なんと今でもその作業台が我が社で毎日活躍しています。30年以上使っていることになります。

30年以上活躍している作業台

新しい事務所に移ってしばらくすると,ある看板会社から切り文字の製作と施工の注文が入りました。注文してくださったのは東京でも大手の名の知れた看板会社でした。仕事そのものは2万円もしない小さな仕事でした。でも当時,妻と「なんであんな大きな看板屋さんがうちなんかに仕事をくれたんだろうね?」と不思議に思って話し合ったものでした。それからしばらくして,ある男性から「私を雇ってくれませんか?」という電話がかかってきました。全く心当たりのない方だったので話を聞いてみると,実は上述の切り文字の注文をくださった会社の方だということがわかりました。千葉に住んでいるので通いやすくてもっと時間を自由に使える会社で働きたいと考えていたそうです。そこでうちに仕事を依頼して,うちがどんな仕事をするのか試したと言うのです。電話の応対・仕事の早さ・仕上がり具合などをチェックして,この会社なら自分が入ってあげてもいいかな?と思ってくれたというわけです。私たちの側が試されたんです。

面白い人がいるものだと思って,面接し,晴れて我が社の社員になっていただきました。今では我が社の大黒柱として大活躍してくれています。興味深い出会いでしたが,私たちにとって本当に良かったと感謝しています。その後も営業の仕事をしてくれる人が必要になり,現在は3名の営業マンと1名の営業事務を行う社員が協力して会社を支えてくれています。